W.K.S.P

赤城少年院タグラグビー教室

今年も、前橋市にあります赤城少年院にタグラグビー指導に行ってまいりました。

毎年11月下旬から12月上旬で計3回のタグラグビー指導をしております。

3回目には寮対抗のタグラグビー大会を行い、トロフィーや賞状の授与もあります。

大会までの2回の練習や、日々の生活の中で大会に向けて、仲間同士で協力したり思いやる気持ちを育むことを、この活動を通じての目的としております。

また、タグラグビーでは「ルール」をどう捉えるのか、にも着目しています。

ゲームにおいて、反則があった場合にはレフリーが笛を吹いて判断をしてくれますが、この活動を通じて「ルール」のなかで反則を理解して、反則が起きた時に自分で気づいたり、すぐに対応したり、そもそも反則が起きないためにどうすれば良いのかを考えてもらいます。

さらにルールに縛られるのではなく、ルールを活用してみんなの力を最大限に発揮するための工夫や考え方も、プレーを通じてアウトプットしながら、トライ&エラーを受け入れる環境をつくります。

たくさんプレーをして、たくさん考えて話し合って、またたくさんプレーするサイクルを経験してもらい、それぞれが成長を感じ、チームワークの深まりも感じて大会に臨みます。

対抗戦は途中まで拮抗した内容でしたが、ほんの少しのチャンスで得点を重ねていくチーム、ほんの少しのミスで失点を重ねるチームの明暗がくっきりと分かれてしまった終盤に、勝敗が決まりました。

しかし、負けているチームは最後まで諦めることはなく、トライを1本取るための声かけや、勝っているチーム側も敵味方関係なしにいいプレーには拍手を、ミスが起きても「どんまい!」と言う前向きな声がけが最初から最後まで途切れることなく続いたことがとても素晴らしかったです。

まさに仲間同士で協力したり思いやる気持ちが育まれて、花を咲かそうとしている瞬間でした。

本当ならば別の場所で出会いたかった少年たちですが、この場だからこそ出会えたことは大切な縁として、素直な気持ちでぼくは受け入れたいです。そして少年たちが社会復帰した際には、目の前のことを自分自身で判断できるようになり、それが自分のため、そして仲間のため、家族のための幸せな行動になることを心から期待しております。

三宅 敬